金沢 なるべく吸える喫茶店

吸えたら良いけれど吸えない時もあるから飲めたら満足です

軽食喫茶 オリーブ「なんとなく、続けてこれてんのよ」

喉の渇きを癒したいとき、足の疲労が臨海に達したとき、しのつく雨をしのぎたいとき、買ったばかりの文庫本を開きたいとき、そして、紫煙をくゆらすひと時を過ごしたいとき。 路傍に佇む喫茶店の門をくぐる。 なるべくならば、煙草の似合う、そんな店がいい。

 

<本日のサ店>

オリーブ

外観

内装

メニュー

ココア ¥400

ここより下は、当ブログ執筆者の身辺雑記をふんだんに含んだ、取るに足らないとしか言いようのない雑文雑記ですので、お店の基本データのみを知りたい方は、上記目次より各項目をクリックし、あなたが必要とする情報を摂取したのち、早々に離脱することをお勧めします。バイバイ!

 

ところで、私はこの3月より、拙ブログをやり始めた。
大概、夜中にセコセコやっているのだが、問題は執筆時のBGMである。これは、傘がないよりも大問題であることは明々白々で、人工的であろうと、肉声であろうと、単語が聞き取れたり、ストーリーが耳に残ってしまうような、直線的な方向性を持つ音源では、邪魔になって書けない。邪魔になって書けない、とか宣言するほどの内容を認めているか、というのは別の話であり、ほっておいて欲しい。うるさくって書けないというより、うるさくって読めないような文章を書きたいのであり、クオリティは、ほっておいて欲しい。ただただ、クオンティティがクオリティを産む、というまやかしに賭けるしかない。

当初は、↓ を流しながら書いていたのだが、

だんだんと、ノイジーに感ぜられてきたので、ここ数日は、スーパーやデパートの店内BGM集という、イージーリスニング界の彼岸みたいな音源に落ち着きつつある。

もう、20年以上前だが渋谷109の店内が、ちょっとしたクラブ並みの爆音ステージと化していて、集散する人がその場に求める音楽、またそれにふさわしい環境音というモノについて考察されていた記憶がある。やはりマルキューは、とにかく購買まっしぐらに対象をアゲてゆくように機能する店内音楽を構成するのが当時の解であったのだろう。とにかく109のことをマルキューとか言っている老害は消えた方がいいとは思う。
同時に、思い出すのは福岡在住時に、近所にあったマルキョウというスーパーマーケットのことであり、そこで流れていた音がなんであったのか?一切思い出せない。うまかっちゃんの5袋パックを買ったことは思い出せても、マルキョウのBGMは思い出せそうにない。


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つまり、そういう音楽。
ブログを書く際に流していたい音楽というのは、なんの感情も喚起させず、自己の内面と向き合わざるを得ないような種類の音楽。それこそが、ブログ執筆時にふさわしい。

なので、今この雑文をこしらえている時にも、↓ のような音楽を聞いているのである。


なんとなくキーパンチのお供が欲しいだけ。
そのために聞いている。これらの曲も、もちろんそれぞれに主張を持ち、時にドラマチックで、時にダンサブルである。しかし、終着点には常にある種の物悲しさを漂わせる。積極的に求められていない音楽であると自覚したような厭世観をまとっている。しかし、邪魔にならぬ、陰から見守るような響きは、今、確実にブログを書いている私には強く求められている。ありがとうございます。

 

 

金沢の一大観光スポットである、長町武家屋敷跡を西へ抜けて、長土塀通りに向かう手前の住宅街の一角に、「オリーブ」はあります。

のちに、マダムに伺ったところによれば、観光客はほとんど訪れないとのこと。
しかし、地域の方からは強く愛される街角喫茶であることは、入店してからマダムと接してみて、一見の私にも感ぜられた。求める人が要れば、喫茶店は生き続ける。

 

呼び鈴があって、住宅のよう

入口扉を開け、入店すると、すぐ右手に雑誌や書籍。
左右に分かれて、テーブル席があり、右手のソファ席では、数人の女性たちが歓談中。
左手に進むと、右側にカウンターがあり、その向かい側にテーブル席。

 


「どうぞ。白湯です。温まって」

喉が渇いていると白湯の味も敏感にわかるものだ。しかし、私の舌はブタなので、ココアをお願いする。
届いたココアは、カップが大きく飲み出のあるサイズ。うれしい。

白湯のもてなし

hugeなサイズで驚いた

「甘くしてないから、砂糖で調節してね」

マダムは、快活で、それでいて、押し付けがましくない鷹揚さがある。素敵。

入店したら、ほどなく怒髪天の『オトナノススメ』が流れてきたので、「おっ!まさか。こちらのマダムは、ファンなんだろうか?あるいは、有線か?」北海道パンクシーンについて語り合う準備をしていたら、NHKラジオであった。やがて、大相撲中継に切り替わった。

 

 

テーブルの高さが膝上10センチ弱あたりにくるので、文庫本が読みやすい。

30分ほど筒井康隆に溺れている間に、先客の女性陣が退店し、カウンター左奥の厨房で後片付けをしていたマダムが、クイックルワイパー的な道具で床を拭きあげんとしたタイミングで、話しかけてくれた。

「地元の方?どちらから」

から、始まりマダムがここに店を開いた経緯などを伺う。

「60まで証券会社に勤めてね、縁あってこの場所で喫茶店でもやってみようか、って。それから17年なんとなく続けてこれてんのよ」

近々にご不幸があったというお身内のお話や、やや繁華街から距離がある場所での開業について話してくれる。

「この近くに体育館があるから、そういう人とか。集まりがあって、帰りに寄ってくれるグループさんとかね。そんなに稼ごう!ってんじゃなければ。なんとかなく、やってこれたのよ」

「さっきの、グループさんも、そういう感じですか?」

「そう、向こうのテーブルはテレビもあるから。ワイワイやってもらって」

 

入り口入って、右手側のグループ席を見せてもらう。

確かに結構大人数で、ガッツリお喋りに華が咲きそうな空間。

 

勢い余って、少し踏み込んで聞いてみる。

「正直、喫茶店て儲かるもんなんですか?一日何杯売ればやってけるもんですか?」

「最初、この店を始めるときに、コーヒーを仕入れさせてもらってる方にね。『一日に¥15,000目指すように!』って言われたんだけど。暇な時は、ずーっと暇。趣味でやってるようなもの」

「コーヒーって昔からそんな、安いままでしょ?」

「そう、そんな値上げなんかできないでしょ」

「オリーブ」のコーヒーは¥350。昔の価格だよ。

ところで、このブログの根幹に関わる質問をせねば…

「こちら禁煙ですよね。いつからですか?最初から?」

「いや、10年くらい前から。なんとなく時代の流れでね」

「吸いたい、っていう人いませんか?」

「昔から来てくれている吸う人も、今は灰皿だけ渡して、外で吸ってもらってるのよ」

というわけで、オリーブは

吸っちゃダメ

 

じゃ、私も灰皿貰って、てなことはせずに

「僕は吸わないんですよ。やめたんですよ」

って、嘘こきました。すいません。吸いません。
その他、マダムに話したことに嘘はありません。ホントは、吸います。すいません。

 

茶店に求めるのは、
煙草が吸えることか。
良い音響で音楽を聴くことか。

そのどちらも、「オリーブ」では叶わないが。
そんなことは問題でなく、「オリーブ」はいい。いい喫茶店だ。

接客業なのに、人の顔を覚えられない。
というマダムに、

「次来たとき、覚えててくださいね」

と、伝えて席を立つ。

「覚えてなかったらゴメンね。そのときは、すぐ言ってね」

覚えてもらえてなかったら、それは100パー私の影の薄さに起因します。
ごちそうさまでした。
また、行きます。

 

google MAP

所在地

金沢市長町3ー6ー12

営業時間

7:30~17:00

定休日

席数

カウンター x 3
テーブル x 5

電源

未確認

Wi-Fi

なし

店内BGM

ラジオ(NHK

トイレ

未確認

喫煙の可否

吸っちゃダメ