金沢 なるべく吸える喫茶店

吸えたら良いけれど吸えない時もあるから飲めたら満足です

みち Michi「何となく通り過ぎちゃうんですよね」

喉の渇きを癒したいとき、足の疲労が臨海に達したとき、しのつく雨をしのぎたいとき、買ったばかりの文庫本を開きたいとき、そして、紫煙をくゆらすひと時を過ごしたいとき。 路傍に佇む喫茶店の門をくぐる。 なるべくならば、煙草の似合う、そんな店がいい。

 

<本日のサ店>

みち

外観

内装
メニュー

フルーツティー ¥730

ここより下は、当ブログ執筆者の身辺雑記をふんだんに含んだ、取るに足らないとしか言いようのない雑文雑記ですので、お店の基本データのみを知りたい方は、上記目次より各項目をクリックし、あなたが必要とする情報を摂取したのち、早々に離脱することをお勧めします。バイバイ!

 

散る桜残る桜も散る桜

なる言葉を覚えたのは、松方版『遠山の金さん』だったように思う。
同じ東映映画ファンでも、鶴田浩二で同じ言葉を覚えると「特攻」とつながり、松方弘樹で覚えると「刺青」とつながる。という乖離がある。


特別名勝 兼六園あたりの桜も最盛期を迎えつつあり、私などは「さっさと散っちまえ桜」という気分だが、大体みんな桜が好きそうだ。艶やかさと裏腹の散る潔さが桜の魅力なのだろうか。そういう意味では、「chill」味が強いというか、桜のもたらすチル感に皆惹かれておるのだろうか。

chill桜残る桜もチル桜

いつもながら内容の無い前口上から始まりました。
この時期の兼六園には近づきたくないですが、野暮用があり付近を通ることになり。
「ここにも喫茶店あったのか!」
な、お店に入店することに。


兼六園下交差点から兼六大通りを田井町方面へ東に行くと、
ティーポットが印象的な看板が見えてくる。

「Michi みち」


入店すると、すぐに生花の入ったショーケースがあり、奥に進むと右手に調理場、さらに奥には雑貨類を販売しているスペースが広がる。
「喫茶スペースはあまりないのかな?」
と思い、入口近くのテーブル席を指し、

「ここでもいいですか?」

とマダムに聞くと、

「奥にもありますよ」

とのこと。
店内左側を進むと大テーブルと、四人掛けの席があり、小さい方のテーブル席に座らせていただく。

大テーブルには、先客のご婦人がいらしてスマホとにらめっこしている。


フルーツ押しのメニューを検討した結果、
「季節のジュース」
と、
フルーツティー
で迷いつつ、「フルーツティー」の但し書き、

 

「アロマポットの中にお紅茶とフルーツが入ってます」

 

との文言に惹かれ、そちらをお願いする。

 

テーブルまわりを見渡すと、最後通告めいた貼り紙が。

終了である。

しかし、下部をよく読むと、

 

「お煙草を吸われる方は店外のテーブル席にて何卒よろしくお願い申し上げます」

 

大阪で仕事していた頃に、ことあるごとに「なにとぞなにとぞ」と連呼する取引先のジジイがいて大嫌いだったのを思い出す。「何卒じゃねーよ、クソが」と面と向かって言えていたら、言えるようなメンタルを持ち合わせていたら、私の人生も豊かになっていただろう。

しかし、本来は謙遜しながら要求を伝えるクリシェであるのだから、「みち」さんの用いる「何卒」には罪はない。

 

「ちょっと作っていただいてる間、外でタバコ吸わせてもらっていいですか?」

「はい、どうぞー」

 

エプロン姿のお若いマダムに告げ、テラス席へ。

喫煙成功。

なので、「みち」は

限定的喫煙可

 

テラスで飲食すれば、吸いながら食事も可能なのだろう。
が、私もなるべく吸いたいだけなので、固執しない。

店内の豊富な品揃えを象徴するように、ひとつの灰皿はバッタ仕様。


店内に戻ると、ほどなく「フルーツティー」が提供された。

 

「三杯分入ってますので、冷めたらコチラで温められてください。飲み終えましたら、トングでフルーツを取り出してお召し上がりください」

「わぁ、すごい。ありがとうございます」

 

730円で三杯分あって、フルーツも余すところなく頂けるのならお得じゃなかろーか。
思わず「すごっ」って口に出た。

これは所謂、土瓶蒸し的な食し方。
つい5年前あたり、宴席で土瓶蒸しが提供されて、その食い方を知らなかったのは内緒だ。漫然と生きていると人はまったく成長というものを知らない。

 

マダムは店内で陳列の整理などをこなしながら、先だっていらしていたご常連さんに声をかけている。

「〇〇さん! にゃんこカードケース見ました?」

「…うん?」

「新色4色出ましたんで!」

「えっ…?」

「にゃんこの、カードの」

「ああ、今ね。写真の整理をね」

「忙しかったんですね(笑)」

「もう、桜の写真撮り過ぎちゃって、どれ送ろうかな?って」

「ねぇ、いよいよ満開近いですもんね。兼六園も行かれました?」

「いや、あそこはねぇ。人だらけだからねぇ」

桜はチルだが、人混みはカスだ。



ほのかに香る果実の薫りを堪能し、いよいよ土瓶蒸しの真骨頂。
ティーポットの中のフルーツをいただく。


途端、利きフルーツの世界に突入する。

林檎に、バナナ、パイナップル…
この、シマチョウみたいなのはなんだろうか?
利きフルーツァーとしては敗北である。
食ってみても、シマチョウとしか思えない。
フルーツシマチョウティーを頼んだ訳ではないので、多分シマチョウではないのだろう。

いやー、大変満足であった。


テーブルには、「カフェ利用 90分制」との注意書きがあるが、これぐらいのボリュームのメニューを提供してもらえるのなら、あっという間に1時間半ばかし長居してしまいそうだ。


店内の雑貨も拝見させていただく。


文具や装飾品、食器から、もちろん新色登場のにゃんこカードケース。
奥には衣類系もある。
無粋な私が手にするような物品はなかったが、「みち」でお茶しつつ、ちょっとしたお土産品を求めるのも一興だろう。

観光地でよく見かけるタイプの「お好きな文字を印字できます」な、オリジナルカップもあった。

何を印字するのが、気の利いた人物なのだろうか?
こういったサービスには、正解がないような気がする。
私なら、「ニューヨークメッツ」とかひらがなで書いたのを貰いたい。
ような気もする。

 


ごちそうさまでした。

会計時に、マダムにお話を伺うと、今日お会いしたマダムはスタッフさんで、オーナーさんが店を開いてからはもう20年以上経つそうだ。

 

「そうですか。私、金沢ですけど、今日初めて見つけました」

「何となく通り過ぎちゃうんですよね。よく言われます(笑)」

「ちょっと通りから、引っ込んでますもんね」

「よく言われます!」

 

そして、答え合わせ。

 

「あのフルーツティーって、何が入ってました?」

「リンゴと、バナナと…」

「あとパインですかね」

「そうです、桃も入ってましたね」

「ああー、桃ですね」

 

あのシマチョウ感のあった果物は、桃。
確かに桃である。
シマチョウではない。

こういうバカ舌の持ち主には、何を食わせても無駄である。
甲斐がないわ。

 

「帰りにまたそこで一本吸って行ってもいいですか?」

「はい、どうぞ。また、どうぞ。ありがとうございました」

 

google MAP

所在地

金沢市小将町3ー7

営業時間

10:00〜18:00

定休日

席数

大テーブル x 1
テーブル x 2
テラス席 x 3

電源

なし

Wi-Fi

なし

SNS

https://www.instagram.com/michi_gift_flower/

店内BGM

なし

トイレ

未確認

喫煙の可否

限定的喫煙可

テラス席でのみ可