金沢 なるべく吸える喫茶店

吸えたら良いけれど吸えない時もあるから飲めたら満足です

もうすぐ再開する喫茶店「桂珈琲店」

兼六園下交差点近くには、いくつか喫茶店があり、表題の「桂珈琲店」も古参として知られる一店。


ここで「古参」たる、いにしえのネット用語ではなく、「老舗」という単語を使ってもよいのだが、老舗とは概ね「創業100年以上」が求められるが、「明確な基準はない」そうで。

日本で初めての喫茶店は、東京上野の「可否茶館」とされ、その開店は1888年明治21年)。
現在も営業を続けている日本最古の喫茶店は、神戸元町にある「放香堂加琲」1874年(明治7年)創業。

これまで訪れた喫茶店でも代を重ねたり、パートナーを亡くされたり、40年50年というお店がゴロゴロ転がっている金沢であるが、コチラの「桂珈琲店」もたいがい古くから店を構えておられるように思う。
なのに、今日の今日まで訪店しなかった不明を恥じる。

 

生き恥を晒しながら生きることには慣れているので、躊躇わずに店舗入口を目指して階段を登る。


『金沢カフェ100』
株式会社 金沢倶楽部
2005年2月1日 第1版2刷発行
には、「桂珈琲店」以下のように紹介されている。

コーヒーから伝わる名物主人の心意気。

ご主人は、日本では数少ないブレンダーとして40年のキャリアを持つ高田さん。豆の産地や特徴はもちろん、コーヒーの文化や器具に至るまでを熟知する、コーヒーのプロだ。品書きは一切なく、豆の配合から一杯ごとに行う「ブレンド」のみというこだわりぶり。コーヒーの奥深さに気づかせてくれる。

 

450グラムずつ丁寧に焙煎し一杯ごとにブレンド。豆挽き機は3種類を使い分けるなど、豆の特徴を最大限に生かす。

 

桂は根を広げる木。大阪から知らない土地に住みつくという思いを込めて、店名を付けたそう。

 

かなり、歯応えのあるマスターと対峙する覚悟を決めて階段を登り切ると、

 

「新型コロナウィルス感染拡大防止の為
4/13日よりお休みしています
店主」


訪問したのは、2025年4月18日。
あれ、つい数日前に閉められたのか?
と思ったが、貼り紙には、

2020

とある、2020年4月13日。
…5年前、なのか?
もう、5年間休業状態?

 

googleマップには、一年前のクチコミがある。

https://maps.app.goo.gl/kC6QG6umQmDFdiA7A

たまたま本日が店休日だったのかも知れない。
ならば、この貼り紙は、この日付は?
謎。


5年間、閉まっているとは思えない。
すぐにでも、扉が開きそうな雰囲気である。
手強そうなマスターに、ちょちょいとあしらわれる今日は消えた。

確実に休業しているという確証はない。
また今度、伺ってみよう。

「桂珈琲店」から100mほど進めば、閉店したばかりの「いしかわ門」がある。
「いしかわ門」の分も、「桂珈琲店」には永く続けていただきたい。

kanazawa-drifter.net

冒頭に「老舗」の定義みたいなことに触れたが、創業◯年のような機械的な要件ではなく「老舗」とは、「商売をして信用を得ている」店を指す解釈もあるようだ。
「桂珈琲店」のマスターの作るコーヒーがこの地で築いたのは、きっと「信用」に相違ない。


貼り紙は、きっと何かの間違いでしょう。
きっと、今度行けば当たり前のようにコーヒーを淹れてくれることでしょう。
きっときっと、うるせぇぞ。
また、来ますね。
「桂珈琲店