閉店されてからも、柿木畠の一角で圧倒的な存在感を放っている
「芝生」

以前訪れてから、店先に鎮座する重機の存在にビビって、すわ「もうすぐ解体か?」とちょくちょく様子を見に行っていたのですが、どうやらこのユンボは、長く続いている片町から柿木畠にかけての道路工事に際して用いられており、工事期間外の仮置き場として「芝生」の店先が使用されている、と思われます。
前回のブログは👇
付近の道路では、断続的に工事が行われている。

1932年創業で、金沢最古級の喫茶店であり、金沢ゆかりの作家・五木寛之がパートナーとデートをしたお店でもあった。
kanazawa-drifter.netかなり草臥れた外観ではあるが、芝生の青を思わせる看板に色味もしっかり残っており、入口に据えられたメニュー表の存在も、「芝生」が賑わいを見せていた頃を容易に想像できる。
カツ丼が名物だったそうだが、
「芝生ランチ」
コイツに私は惹かれる。
単に「日替わり」的なメニューの呼称だったのかも知れないし、「芝生」独自の構成が冴えわたるランチメニューだったのかも知れない。
もう確かめようもない。



そんな、もう無い喫茶店「芝生」のエントリーに、2025年7月18日、コメントを頂いた。

emma様、ありがとうございました。
「芝生」関係者の方とお知り合いなのか、譲渡先が決まったという情報をコメントしてくれました。
何にも知らないけど。
行ったことも、「芝生ランチ」の実態もちっとも知らない私ですが、「もう無い喫茶店」でありながら、ここにあることが当たり前になったこの情景。
「芝生」のある、柿木畠のこの風景。
ここに無いのが不自然に思えるほどの存在感。
閉店後にもこれだけの訴求力を保っている店舗もそうない。
建物は取り壊されてしまうのか?、「芝生」の面影を保ったまま利活用されるのか?。
わかりませんが、どうあれこの場所にまた人が集う、みんなが集えるような空間が生まれることを願います。
新しい店舗が開業しても、仮に住居や会社になったとしても、多くの金沢人にとっては、
「ああ、『芝生』のあった所ね」
と認識されることでしょう。
記憶は反芻され、しかし新たな息吹を楽しむことでしょう。
この先、この場所がどうなっていくのか、またちょくちょく会いに来ます。
もう無い喫茶店「芝生」




