ピザは薄皮がいいね。
蜂蜜ブシャシャとぶっかけたいね。
ピッツァはピザとは異なる食べ物だから。
そんな本場のピッツァとビールでもって、たらふくイケる店が金沢市片町にある。
ヴェッキオ・アルベロ
という素敵な店である。
と言いながらも、私は、かの店には行ったことがない。
今日は、ピザの日ではない。
否、ピッツァの日でもない。
私が今日見たのは、老舗喫茶店の面影であった。
ピザまわりの、いやピッツァまわりの装飾以外は、まんま老舗喫茶店の相貌を保っている。
「寿苑」
よって、閉店日付近のgoogleストリートビューを覗くと、今も「まんま」の外観を拝むことが出来る。
重厚な煉瓦造り、二階部の特徴的な窓、歴史を感じさせる木枠の入り口扉。
「まんま」残されている。
残念ながら、現在のピザ店、ちゃうピッツァ店を訪れたことはないので、内部の造作がどうなっているのかは窺い知れない。
しかし、この外観の保全っぷりよ!
もう、スクラップアンドビルドの時代じゃないよ。
破壊なくして創造なし、とか言っちゃダメよ。
ストック活用、リノベ推奨。
この外観なら、ほとんど入店前に100点つけちゃいそうな喫茶店でしょう。
もちろん、現在のピザ店、じゃなくピッツァ店も100点でしょうが、あわよくば私の個人的な趣味としては、喫茶店「寿苑」に入ってみたかった。
「寿苑(じゅえん)」は、昭和32年創業。
昼は喫茶店、夜はバーとなる二毛作。
2013年まで、56年営業を続けたことになる。
現在も、お店のページが残っており、数葉の店内写真を眺められる。
いいよぉ。
ゲーム筐体のテーブル、グルンと螺旋していくであろう二階に伸びる階段、整然としてシックなバーカウンター。
いいなぁ。
多分吸えたし。この感じ。
そして、入口扉木枠の上部に見つけてしまった。
燦然と輝きを放つディープブルーのプレート。
石川県喫茶環境衛生同業組合
通称 IKKK
もちろん、現在のピザ屋、冗談じゃないピッツァ屋さんはセコムしてます。
そして、IKKKプレート。
「I」が接頭にあるとはいえ、「KKK」は如何なものか?という向きもあろうが、とにかく喫茶組合の歴史の重みを漂わせる金属板。
しかし、現在のピザ屋、ふざけんなピッツァ屋さんもコレは確信犯で残してますね。
この場所にあった56年の重みをしっかり受け継ぐ気概に溢れている。
ちょっとここまで揶揄気味なのを、謝りたいです。
しっかり、美味しいピッツァ食べに、今度伺います。
思わずこのプレート見つけて、声出ました。
ああ、というか、おおー、というか。
感嘆符でしか表せない感情。
ここに確かに「寿苑」はあった。
そして、
「寿苑」はもう無い。しかし、確実にスピリッツは継承されている。