金沢 なるべく吸える喫茶店

吸えたら良いけれど吸えない時もあるから飲めたら満足です

もう無い喫茶店「寿苑」

ピザは薄皮がいいね。

蜂蜜ブシャシャとぶっかけたいね。

ピッツァはピザとは異なる食べ物だから。
そんな本場のピッツァとビールでもって、たらふくイケる店が金沢市片町にある。
ヴェッキオ・アルベロ
という素敵な店である。

と言いながらも、私は、かの店には行ったことがない。

「プ」の文字が"貼り付け"みたいだが、実際に貼り付けられている

今日は、ピザの日ではない。
否、ピッツァの日でもない。

私が今日見たのは、老舗喫茶店の面影であった。

ピザまわりの、いやピッツァまわりの装飾以外は、まんま老舗喫茶店の相貌を保っている。


2013年9月30日に営業を終えたその店は、

「寿苑」

 

よって、閉店日付近のgoogleストリートビューを覗くと、今も「まんま」の外観を拝むことが出来る。

 

重厚な煉瓦造り、二階部の特徴的な窓、歴史を感じさせる木枠の入り口扉。
「まんま」残されている。

残念ながら、現在のピザ店、ちゃうピッツァ店を訪れたことはないので、内部の造作がどうなっているのかは窺い知れない。

しかし、この外観の保全っぷりよ!
もう、スクラップアンドビルドの時代じゃないよ。
破壊なくして創造なし、とか言っちゃダメよ。
ストック活用、リノベ推奨。

 

この外観なら、ほとんど入店前に100点つけちゃいそうな喫茶店でしょう。
もちろん、現在のピザ店、じゃなくピッツァ店も100点でしょうが、あわよくば私の個人的な趣味としては、喫茶店「寿苑」に入ってみたかった。

 

「寿苑(じゅえん)」は、昭和32年創業。
昼は喫茶店、夜はバーとなる二毛作
2013年まで、56年営業を続けたことになる。

現在も、お店のページが残っており、数葉の店内写真を眺められる。

ziyuen.web.fc2.com

 

いいよぉ。

ゲーム筐体のテーブル、グルンと螺旋していくであろう二階に伸びる階段、整然としてシックなバーカウンター。

いいなぁ。
多分吸えたし。この感じ。

 

 

そして、入口扉木枠の上部に見つけてしまった。

燦然と輝きを放つディープブルーのプレート。

 

石川県喫茶環境衛生同業組合
通称 IKKK

 

もちろん、現在のピザ屋、冗談じゃないピッツァ屋さんはセコムしてます。
そして、IKKKプレート。
「I」が接頭にあるとはいえ、「KKK」は如何なものか?という向きもあろうが、とにかく喫茶組合の歴史の重みを漂わせる金属板。

しかし、現在のピザ屋、ふざけんなピッツァ屋さんもコレは確信犯で残してますね。
この場所にあった56年の重みをしっかり受け継ぐ気概に溢れている。

ちょっとここまで揶揄気味なのを、謝りたいです。
しっかり、美味しいピッツァ食べに、今度伺います。

 

思わずこのプレート見つけて、声出ました。
ああ、というか、おおー、というか。
感嘆符でしか表せない感情。

 


ここに確かに「寿苑」はあった。
そして、
「寿苑」はもう無い。しかし、確実にスピリッツは継承されている。