金沢 なるべく吸える喫茶店

吸えたら良いけれど吸えない時もあるから飲めたら満足です

もう無い喫茶店「ぼんくら」

えー、ちょっと今緊急でブログ書いているんですけども。

緊急でブログを書いているのならば、
「書いている」
ではなく、
「書いてる」
と、「い」を抜いて表記した方が、緊急感が高まるような気がする。
ので、もう一度書かせてください。


えー、ちょっと今緊急でブログ書いてるんですけども、

 

それでもボクはやってない』という映画の宣伝でテレビ出演していた周防正行監督。アナウンサーが、

「今回の、『それでもボクはやってない』ですが…」
と切り出すと、

「ごめんなさい。タイトルは『それでもボクはやってない』なんですよ。文法的には、やっていないだと思いますけど」

と訂正したことを覚えている。
アナウンサーが、職業病的に、正しい文法語法で「い」有りでタイトルを自動修正してしまったことに、やんわり違を唱えていた。

「い抜き」
か、
「い有り」
か。

件の作品は、痴漢で逮捕されてしまう主人公が冤罪を訴えていく内容である。主人公の心底からの叫びをタイトルに落とし込む際に、「僕はゼッタイに痴漢なんて、やってないんだ!」という、怒りや焦燥感を示すには、口語に寄せた「やってない」を「やっていない」より重んじた結果として、題名を決めている。
という、創作者の矜持や勘所の鋭さを表すエピソードである。
この話、『それでもボクはやってない』のwikiに載っていないので、誰か加筆して欲しい。私は、やっていない。

無事にamazonアフィリエイトリンクが貼れそうなので、OKです。GOです。


それでもボクはやってない

 

緊急性の高い内容などイチミリもない当ブログだが、今回は緊急性が高い。

一昨日、4/2に自転車を走らせていると、喫茶店らしき大きな看板を見つけた。


しかもかなりの大箱。
いい感じに吸えそうだし、吸えなくても構わないし、
入店を試みると、


つい数日前に閉店を迎えてしまったようだ。

3月31日までは営業を続けていたわけで、ほんのタッチの差。
これは、悔しい。悔しいが過ぎる。


ロードサイドにある大ぶりの店舗で、駐車スペースも豊富。
どうやら、50年近い歴史があるようだ。

50年前開店時に、

「ぼんくら」

という言葉が世間にどのように受容されていたかは想像するしかないが、現代のようにサブカル被れ男子の墓場みたいな意味合いはまだ無く、かなりハイカラな単語であったのではないかと想像する。

「ぼんくら」
と自称することを、自身の未成熟さへの免罪符として使用する仕草は、この先もう通用しなくなるだろう。
杉作J太郎氏も、今ではこの言葉を使わなくなった。杉作さんが、タイトルに「ぼんくら」を冠した映画本は名著だが。


ボンクラ映画魂 完全版: 燃える男優列伝

 

毎度のことで、大変失礼ながら、スマホをガラスに押し付けて店内の様子を撮影させていただいた。


今、よくよく見ると店内の片付けにいらしていたのか、人影が写りこんでいる。

うわー、なんで無理を承知で話しかけなかったのか…
なんで、画像見返さなかったんだよ。
この、ぼんくら、が。


大変に残念だが、生きる喫茶店としての「ぼんくら」はもう無い。

個人的には、頻繁に通る地域ではないので、「ぼんくら」だった建物の行く末を確かめることは、叶わないだろう。
立派な店舗であるから、誰かが居抜きで何かを始められるのかも知れない。い抜きでね。
一度も訪れなかった喫茶店だが、常連ヅラでおつかれさまと言いたいです。
ご苦労様でした。